クラウディウスの物語:間奏曲
「旦那、もう看板ですよ」
「ああ、わかってるよ、わかってるんだけどさ」
旦那、という呼び名には、その青年は少しばかり若すぎるように見えた。少なくとも三十を超えているようにはみえない。
「頼むよ、おかみさん、もう一壜だけでいいから」
「看板だって、言いませんでしたか」
「つれないこと言うなよ、マギー。じゃあ、もう一杯だけでいいから」
おかみが自分をマギー、という愛称で呼ばせる相手は、かなり少ない。内乱に巻き込まれて死んだという主人と、女手一つで育てたという、三人の息子達をのぞけば、客の中でもかなりの常連が二、三人。その程度だろう。
「看板は、看板なんですよ」
「あーあ、どっちを向いてもつれない人ばかり、か」
青年はわざとらしく椅子の背にもたれかかった。どさりと音をあげてもたれかかってきた体の重さに、椅子が小さくきしみをあげた。
「もうちょっと優しくしてよ、振られたばっかりなんだから、僕は」
窓の戸締りをしかけていたおかみの手が止まった。
「貴族のご令嬢ってのは、わかりませんね。旦那を振っちまうような、馬鹿がいるなんて」
「お生憎様、女の子に袖にされたことは一度もないのが僕の自慢。それに、旦那は止めてくれって言ったはずだよ」
「はいはい、アルヴィーゼ様」
当の『旦那』は職場の先輩がつけてくれたあだ名だから、といたずらっぽく笑いながら、自分のことは『ヴィー』と呼んでくれ、と言ったものだ。だが、その職場が、今を時めく、ついでに言えば鉄の規律と白銀の優美と氷の冷酷を兼ね備える、と噂されているランドニクス若獅子騎士団となると、いくら本人の言葉でも、こればかりは受けかねる。その上、『ヴィー』は女性名でもある。この旦那に限っては、まずあるまいとは思われるのだが、貴族特有のあの気まぐれでも発揮されて、後々で無礼打ちにでもされてはたまらない。おまけに、この「アルヴィーゼ様」が呼び名のことなど言い始める時は、何か、少なくともあまり気分の良くないことが起きたときに決まっている。
触らぬ神にたたりなし、だからねえ、と思いはするものの。
「女相手じゃないとすると、当ててみましょうか。例の隊長さんのことだ」
「当たり」
だが、確かあの『隊長さん』とこの旦那は言うなれば鹿肉とレイテのサラダのような、お互いがお互いを引き立てあうような、片方だけではお互い、どうにも足りないところを補いあう、いかにもお似合いの間柄だったはずだ。
−男同士で、お似合いという言葉をつかうのかどうかは判らないがー
「ほら、知りたくなってきただろ」
「好奇心は猫をも殺す、っていいますからね」
おかみはアルヴィーゼの前の椅子を引いて、浅く腰掛けた。
「それに、旦那だって話せば少しは楽になりますよ」
「じゃ、もう一壜」
「一杯だけです」
「中を取ろう。半壜でどうだい、マギー」
仕方ありませんね、と答えるかわりに、おかみは壜を取るとグラスにワインを注いだ。アルヴィーゼのグラスとおかみのグラスから、少し野暮ったい蜂蜜酒の香りが立ち上った。
「それにしても、よくわかったね、クラウディウスのことだって」
「旦那をここまで酔いつぶさせる相手ですからね。想像はつきますよ」
おかみは蜂蜜酒を一口すすった。
「一体全体、何があったっていうんです。久しぶりに会えるってはしゃいでたの、ついこのあいだじゃありませんでしたっけ」
「そうなんだ、宮中園遊会でね」
アルヴィーゼとの会話には、宮殿だの、園遊会だのという単語が平気でぽんぽんと混ざってくる。
(こういうところがお坊ちゃん育ちなんだよ、この旦那は)
そう思いはするもの、ここまであっさりと話されると、なんだか近所の魚市の話のようで、いちいち気にするのも、ばかばかしくなってくるのも確かではある。
「そもそも、僕がニクセントに引っ張られた理由、話しただろう」
おかみは小さくうなづいた。
報告書のせいなんだ、すっかり酔っ払ったこの旦那が泣き笑いの顔でそう言ったのを、おかみは印象的に覚えていた。うちの隊長がさ、いちいち報告したんだよ、一騎打ちの結果、戦闘の顛末、いついつ、どこどこの戦闘で、僕がどう戦って誰の首をあげたかまで、どこまでも正確にね。
どう言っていいものかわからず、へえ、とかなんとかごまかしていた適当なあいづちが、どうやらかえって気に障ったらしかった。アルヴィーゼは、まるでむきにでもなったように、細かく説明し始めた。
本格的な戦闘の前にはさ、一騎打ちがあるんだよ。向こうの軍から一番の腕自慢が出て、指揮官にまあ、戦いを挑むわけだ。うちの隊長もそこそこは使う、悪い腕じゃないんだ、決してね。だけど、こう、なんていうのかな、剣だけの話じゃないんだけど、人間誰でも生まれ持った才能、ってのがあるだろう、努力と鍛錬で、誰でもある程度はいくよ、でも、その上は努力なんかじゃどうしようもない、生まれつきの才能の勝負になってくる。隊長は自分の腕は磨いて磨いて磨きぬいた、努力でできることがあるとすれば、その上限なのはまちがいないね。けど、これは隊長のせいじゃ全然ないんだ、けど、うちの隊長の貰ってきた才能は、剣じゃない。そいつを貰って生まれてきたのは、僕のほうだった。
だから、一騎打ちを挑まれたときには、僕が応えた。隊長じゃなく。
相手にどんな奴が出てきても、身分をわきまえろ、若獅子騎士団第1部隊、第六小隊の隊長殿は、仮にも大法官のご長男、このイギィエム爵だ、おまえなぞ相手になさるものか、どうしても剣を振るいたいなら、俺が受けてやる、抜け、って、怒鳴ってね。
それだけの話なんだ、もともとは。
複雑なのはその先でさ。
そこまで話すと、この「旦那」は強い黍酒を一息であけたものだった。それをいちいち、律儀に報告したんだよ、そのたんびごとに騎士団長あてに、あの綺麗な字でさ。
おかげで。
僕は隊長の副官をクビになった、ってわけ。
クビ?クビですか、そんなに手柄をたてた、そのご褒美が、クビなんですか?
そう問い返したおかみに、「旦那」は空になった壜を軽くふって次を催促しながら、そう、と答えた。
副官、クビ。おまけに帝都に戻されて、騎士団の武術師範にさせられちゃった。
若獅子騎士団の武術師範と隊の副官なら、どちらが上かくらいはおかみにも判る。
なあんだ、昇進なさったんじゃないですか、おめでとうございます、そう言いかけた言葉は喉もとでとまった。
この「旦那」は、酒壜を胸元に抱え、机にあごを乗せていた。まるで両親に置き去りにされた子供が、傷ついた心を慰めようと、大きな人形を抱えるようなこの格好で、彼はぽつりと、こう言った。
「クラウディウスは、俺がいなきゃ駄目なんだ」
(あの頃は、まだこの旦那も「僕」と「俺」が混ざってたもんだ)
「あの頃」は、まだ今とは何もかもが違っていた。このおしゃべりな旦那が、何がどう気に入らなかったのか、時折、急に黙り込んで、この居酒屋の暗がりで目だけを白く光らせる、そんなこともないわけではなかった。実際に戦場に出て、人の血を流してきた人間だけの持つ、底光りのするような凄みが、貴族にしては多少軽薄ともいえる言葉遣いや、人懐っこい「旦那」笑顔の間からにじみだしてきたりもした。
この頃は、それもすっかりなくなった。
「あの頃」には不気味でならなかったあれも、今にして思えば、内乱の傷跡の一つ、苛酷にすぎた戦闘が、この人のいい旦那の心に残した傷の形だったのだろうと思えるのだが。
そして、今ならもう一つ。
アルヴィーゼの「隊長」とやらの考えたことも、なんとなくわかるような気がする。
(曲げたくなかったんだろうよ、旦那のご気性を)
お日様を浴びたような、陽気で単純、おそらく年齢よりは子供っぽくて裏がわからない、剣に関する天分を貰ってきたかわりに、どうやらそのあたりは極端に鈍く生まれてきたらしい、このお人よしを、くだらない傷や陰謀から守ってやるつもりで、一番、能力がそのまま評価につながるところに、名誉と地位は保証され、しかも政治的生臭さからは一番遠いところに配属されるように。
そう考えたに、違いなかった。
(お似合いの二人だねえ、いろんな意味で)
これが、若獅子の騎士様達の話でなければ、あたしも二人でうちの煮込み肉でも食べにおいで、くらいは言うんだけどね。
喉まで出掛かった言葉を、おかみはそのまま飲み込んだ。若獅子騎士団がニクセントの広場に慈悲の御方と呼ばれた盲目の帝子、ミハイルの首をさらしてから、まだ二年とたってはいない。あの時に受けた身震いするような恐怖と嫌悪感は、まだ心の隅に残ったままだ。いくらこの「旦那」が人がいいからといっても、若獅子騎士団のお歴々となど、決してお近づきになどなりたくはない。
「で、隊長さんはいかがでした」
「綺麗だった、相変わらず。象牙の人形みたいで」
(綺麗、ねえ…)
おかみもその「隊長」を見たことはあった。内乱の血みどろを戦い抜いた若獅子騎士団がニクセントに凱旋の入城をしたとき、あの慈悲の御方、ミハイル帝子を謀反人呼ばわりして、戦場で捕らえるや否や、迷いも見せずにの首を打った騎士とやらを
ー噂によれば、大法官の嫡男らしい、おまけにその隊長には、やりすぎを非難した同僚達の前で、眉一つ動かさずに、ケイオス法典が改正されたという話は聞かぬ、と言い放ったという噂まであった
ケイオス刑法典が改正されていない以上、罰則規定はそのまま施行されるべし、
反逆者は死罪、その首魁に関しては特に遺体の埋葬を禁じ、広場に首をさらすとべし、と主張したという、血の凍ったような貴族の若君ー
怖いものみたさも手伝って、どんな顔をしているやらと、居酒屋の二階の窓からそっと覗いてみたものだった。
もっと、武張った男を想像していた。それか、心のどこかが壊れてしまったような、不気味な魔物じみた男を。
それが。
正直、言われるまであの男だとは信じられなかった。
新帝アンタルギダスには、大陸の南の、野蛮で凶暴な地域の血が入っているらしい、どうせその騎士とやらも南の人間だろうと思っていたのだが、緩やかなカーブを描く銀髪に暗い緑の瞳からみて、北の人間であることは確実らしい。
白と銀で統一された若獅子騎士団の軍装に、時折まぶしいほどにきらめく銀髪が、妙に映えていた。
だが、一番意外だったのは、その騎士のたたずまいだった。
凱旋の荒々しい熱狂の渦のなかで、その人は明らかに異様なまでに冷め切っていた。感情を抑えているのではない、そもそも最初から、何もかも、あらゆることに興味も関心も失ってしまった、そんな表情のない顔をしていた。顔立ちは整っている。育ちのよさそうな、それでいて少しばかり神経質が過ぎるような、繊細すぎる様子が、その騎士を一人の人間というよりは、まるで神殿の彫像のように、もともと命のない何かが、何かの魔術で不意に生命を与えられて動き出したような、現実ばなれした印象を強く与えていた。
ずいぶんあとになって、その人が、アルヴィーゼの「隊長」さんだと知った時には、内心ひどく驚いたものだが。
「隊長さんとは、話なんかは」
「したかったんだよ、僕はね。でもクラウディウスは、どうしたと思う?
これだよ、僕が近づいたら」
アルヴィーゼは小さく微笑を浮かべた。おかみでなくても、それが涙の代わりに浮かべた微笑だと、一目でわかるような悲しげな微笑を口元にたたえながら、椅子に座ったまま、左手を胸に当て、小さく頭を下げた。鳥が翼を広げたときのように、小さくマントのすそが開く。
「隊長さん、旦那にお辞儀なんか、なさったんですか」
「クラウディウスの言いたかったことは判るよ」
(卿の階級は現在は私よりも上だ、相応の敬意と儀礼があってしかるべきだ)
「あいつらしいとも、思うんだけどさ」
アルヴィーゼも隊長のことを話すときだけは、言葉が少し荒れる。それは内乱の時代、実戦に出ていたときの名残りとも、クラウディウスに対する心安さの表れとも思えた。
「礼儀正しい方なんでしょうねぇ」
おかみの返事も、本音とは言えない。
(あたしは、どっちの気持ちもわかる)
この「旦那」のことだ、飼い主を目にした子犬のように、喜色満面、の典型例で辞書にでも載りそうな顔をして、「隊長さん」のもとに飛んでいこうとしたに違いない。
そして多分。
(「隊長さん」は気がついてたんだ)
自分の立場が、控えめに言っても、あまり良くはないこと、少なくとも市民の間では盲目のミハイル帝子の首をはねた、血も涙もない冷血漢と思われていること。さらに言えば。先帝アイゼンジンガー陛下の御世だった、例のテスラ戦役で帝国に併合した南の地域、たしかリディアだったと思うのだが、ランドニクスはわざと苛酷な代官を送り込んだ。確か、元はその隣の小さな村々をまとめていただけの、その仕事にふさわしい程度の力量の小物、リディアの頭領を戦場で裏切って計略にかけて戦死に追いこんだネズミに似た小男だったはずだ。その男は自分の小心さにふさわしい、小心な統治法をとった。少しでもリディアの血の入った人間を見つけては、難癖、屁理屈の類で捕らえては、身分と財産を剥奪の上、地下牢に放り込んだ。それでいて、死刑執行の命令書にサインのできるだけの度胸に欠けていたせいで、地下牢は、高貴な囚人達であふれかえった。政策は限られた側近との合議で、というよりは、この男におもねり、反論するよりは機嫌をとって少しでもこの男の権力のおこぼれに預かろうとする、ダニとの間できめられた。恐怖心が男を駆り立てた。男に不安を抱かせた相手は、それが治安の面の不安であれ、少しばかり有能さを発揮しすぎて、代官がその地位を脅かされると思ったせいであれ、必ず反乱の嫌疑で首を晒し台に飾ることになった。もともと上に従うのを良しとしない、荒れた気風の土地だった。敗戦後間もない、しかも頭領をはじめ、主だった男達をすべてテスラ戦役で失ったリディアの民が、この代官に従うくらいなら、いっそ自分達の命を含めて全てを失ったほうがはるかにましだ、そう思い始めたころの、ある朝のことだ。
代官の首が、晒し台に飾られていた。
その脇には、高札が立っていた。
高札はあっさりと、こう告げていた。
「統治に適切を欠いた罪により、処断を加える」
そして、その高札に掲げられた命令書の羊皮紙には、ランドニクス皇帝、アイゼンジンガーの署名が紋章入りで記されてあったという。
リディアに苛酷な統治を課し、土地の有力者を根こそぎにし、その直接の統治者をさんざん恨ませた上で、その代官を文字通り、首にする。リディアの土地の力をそいだ上で、その憎悪を全て一人に押し付け、帝国は涼しい顔で、その利益だけを掠め取る。
あまりにもあざとく、それでいて、どこまでも鮮やかな政治手法。
もし、これが、ランドニクスのやり方なのだとすれば。
現在の、ルーン神聖帝国も、ランドニクス帝国を母胎とする、ランドニクスの発展型とでもいうようなこの帝国も、同じ体質を受け継いではいまいか。
そして、もしそうだとすれば。
ミハイル殿下を害し奉った責任は、ただ一人の冷血漢にある、と全てをあの「隊長さん」とやらにおしつけて、その上で死人に口なし、同じ首だけの姿にして、ミハイル帝子のあだ討ちとばかりに、ニクセントの同じ晒し台に晒してしまえば。
少なくとも、民の間でルーン神聖帝国の評判は上がる。
おかみには、この居酒屋の客達がそれをどう評するかまで、聞こえるような気がした。
あれはひどかったからねえ。ルーンもなかなかやるじゃないか。ざまあみろ、だよ。
それに。
この「旦那」の話しぶりからすると、私心というものをどこか、母親の胎内にでも置き忘れてしまったとしかおもえない、あの「隊長」さんは全てを気づいていて
(ひょっとしたら、待ってるんじゃないかねぇ)
自分にとっては破滅ではあるが、ルーン神聖帝国にとっては残虐、冷酷という評判を回復できる、その命令の下される瞬間を。
その時に、この「旦那」が「隊長」と親しければ。
(「旦那」はとんだとばっちりだ)
その上、この「旦那」のことだ、風向きを読んで、手のひらを返して他の連中と一緒に「隊長さん」の悪口を言いふらす、などという真似はできないに決まっている。それどころか、「隊長さん」の助命、嘆願なんぞに
(駆けずり回りかねないよ、このお人は)
この「旦那」がありったけの誠意と情熱をこめてそんな真似をすればするほど、「旦那」の立場は悪くなる。ともすれば、副官だったこの旦那も、そばにいただけの人間を同罪に陥れる、例の悪名高き「共同謀議」とやらの罪名で共倒れにさせることくらい、
(簡単にやってのけるだろうね、ニクセントのお偉いさんたちなら)
距離を置くには、アルヴィーゼの心に小さな傷をつける、それが一番確実な方法だったのだろう。
「動けなかったよ。僕はその場に釘付けさ」
泣いてはいないが、泣くよりも、もっと深い声だった。
「答礼を返すだけで精一杯だったよ。あれ以上近寄って、声でもかければ、さ」
アルヴィーゼは、自分の膝を軽くポンと叩いてみせた。
「あいつ、正式な礼をとったよ、膝をついて」
おかみが無言のままで、からになった「旦那」のグラスに、蜂蜜酒を満たした。酒は一息で飲み干された。
「酔いつぶれたい気分だったんだけど、看板だろ」
たちあがりかけたアルヴィーゼのグラスに、もう一杯の蜂蜜酒が満たされた。
「構いませんよ、酔いつぶれちまっても」
「いいのかい、本当に」
「たいしたお世話もできませんけどね」
「ありがと」
アルヴィーゼは悲しげな微笑を小さく浮かべると、酔いのせいか少しばかりおぼつかなくなった手つきで、グラスを目の高さにまで掲げた。
「クラウディウスの馬鹿に。今度は何やらを探して来いって、妙なところに追いやられてるらしいけど」
「隊長さんに。今度の任務が成功しますように」
「旦那」が机にもたれかかったまま眠ってしまうまでに、さほど時間はかからなかった。おかみが高貴な酔っ払いに自分のショールをかける。それでもどうやら、「旦那」の夢路は安らかであるらしかった。
「おやすみなさい、ヴィー」
小さな挨拶は、相手に届いたのか、それとも規則正しい寝息にかき消されてしまっただろうか。
おかみが静かにろうそくを吹き、最後に残った居酒屋の明かりも消えた。
ニクセントは、すっかり寝静まった。
クラウディウスの物語:間奏曲 END.
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