イベント開催のお知らせ
月蝕の夜――「真の黒の夜」。
おせっかいな金の伝書鳩がやってきて、あなたを短い夢へと導きます。
「誰かに伝えたい言葉を眠らせているでしょう?
今日は特別な夜なんです。
白の伝書鳩が羽根を休めているうちに、さあ。
その言葉を思い出してください。私がどこへなりと伝え運びますから!
えっ、御代ですか?
金の伝書鳩はこう見えて礼儀正しいんです。
そんなもの頂戴するもんですか。
ただ……こういっては何なのですが、交換条件があるのです。
おやそんな顔しないでくださいね。
簡単なこと。
貴方に会いたいという方が待っているのです。
ちょっとだけ。顔を見せてさしあげるだけ。
ねえ、簡単なことでしょう?
いいですか。
鍵は『誰かに伝えたい言葉』ですからね。
聞いてない? 覚えてない? 嘘でしょう?
要は何だっていいんですよ。
相手だって、誰でもいい。
つまりは元気だよとかあのときはごめんとか、そういう類のことですよ。
別に伝えたい相手がいないってんなら、
それまでのことなんですけどね。
いえ、別に、かまわないんですけどね……」
|
||