PBeM《ciel RASEN》 - 2005 : 第7章

1.あなたの望む道

■Scene:承前――はじまりの頁


 はじまりのときが、はじまろうとしている。
 レヴルは母の胎内に。
 ウィユは《月光》に抱かれて。
 歪んだ円は二つに割れて、《島》の崩壊が始まった。
 それはやがて来る新生のための痛み。

 海底。胎内と呼ばれる場所。
 呪術師が放った術が、ウィユを抱く《月光》を青白い光の檻で取り囲んだその時に、異変は始まった。偽りの空が崩れ、大粒の闇の雫となってまろうどたちに降り注いだ。
 はるか地上。
 主のいない空の玉座は、大広間に集まっていた者たちを飲み込んだまま、暗く大きな滝となり、大広間の真下に位置していた空間へ――胎内へと流れおちていった。

 絶海の孤島に聳える《満月の塔》。
 はるか空から見下ろしたものがいたならば、たくさんの伝書鳩がいっせいに飛び立ってゆくのが見えただろう。
 塔の上部はわずかな森を残して大きく陥没している。
 燃える闇――切り離せなかった欲望と絶望が、すべてのまろうどたちを飲み込み、押しつぶそうとしている。
 最後に飛び立つ伝書鳩の群れは、《満月の塔》の上でぐるりと輪を描く。
 オルゴールの旋律はゆっくりと静寂へ向かう。

■Scene:たとえ世界が選んでも(1)


 妖精養育士ポリーナ・ポリンだったまろうどは祈っていた。
 自らの身体は、音術師ローラナ・グリューネヴァルトや占い師のエルとともに、燃える闇に飲み込まれていた。
 彼らを救わねば。その一心で、ポリーナは、闇に飲まれるぎりぎりの瞬間に光を集めた。ふたりは柔らかい光の膜に包まれる。その姿は卵。繭。あるいは、光の揺りかごだ。
 闇が満ちた瞬間襲ってきた苦痛は、今は光が退けていた。
 ローラナもエルも、穏やかに眠ったような表情を浮かべている。ローラナのなかには、妹姫レヴルも存在しているはずだった。母なるものに抱かれて、最も安全な場所にいるレヴル。
(レヴル姫さまのことは、きっともう心配しなくていい)
 ポリーナは、自分自身を光でくるむことはしなかった。
 闇の彼方、何か大きなものの両手がこちらへ伸びてくるのを感じてポリーナは微笑んだ。精霊だった。よりしろにしているのは、熊の人形らしい。妖精や幻獣を育んできたポリーナにとって、精霊はとても懐かしい相手だった。
 そうして、ローラナとエルの繭をそっと押し出す。
 精霊は、よりしろである熊の手に繭を受け取った。
 ポリーナは闇の奔流の中で、ふたりの繭を見送っていた。
 遠くで人形師の言葉が聞こえる。
「ルクス、行け!」
(ああ、《島》が……《宿り呼ぶ島》が、崩れていく……)
「他のコも流されてるかも。さあ探しなさい!」
 人形師は、あの、覇気に溢れる口調で精霊に命じていた。
(さよなら、レヴル姫さま。ローラナさん、レヴルさまをどうか)
 自分にもっと力があればよかったのかもしれない。
 例えば《島》をまるごと卵に包んで守れるほどの、大きな力があれば。
 けれどもポリーナは、力を願わなかった。代わりに。
(ウィユ姫さまは? ヴァレリさんが連れて行ったまま戻ってこないけれど、このままでは)
 ウィユ姫を探そうと、ポリーナは決めた。
(消えてしまうの? レヴル姫さまは助かって、ウィユ姫さまだけが消えてしまうの? そんなのダメ。絶対にダメ。助けなきゃ。助けなきゃ!)
 ポリーナを苛んでいた枷が、外れかけていた。
 ウィユ姫さまは、いったいどこ?

■Scene:たとえ世界が選んでも(2)

 人形師リアルは、闇の奔流と格闘していた。
 熊の人形が引っ張り上げたふたりは、まるで羊膜の中の赤子のようだ。黒猫人形は、反応するようにその光をわずかに強めた。リアルは人形をはめたまま、そっと額の汗をぬぐう。
 リラ・メーレンも、ふたりを引っ張りあげるのを手伝った。
「エル! やっぱり……」
 あなただったのね、と呟いて、繭の中で眠るエルに触れるネリューラ・リスカッセ。
 飾り羽根は折れ曲がっていた。羽化する前のさなぎのように、飾り羽根はエルの身に添って彼を守っていた。
 ……本当のところ、放った稲妻は、地上にいるはずのあなたを狙ったのよ。まさか、ちょうどうまく大広間に居合わせるなんて、思わなかったけれど。
「エルさぁん、ローラナさぁん! おーい……いつまで眠ってるっすかー」
 ふたりを起こそうとするリラであるが。
「リアルちゃんこれ、どうすれば目覚めるんすか?」
「知らない」
 きっぱりとリアルは答えた。
「え? 精霊さんの力で守ってもらってたんじゃないっすか?」
「引っ張り出したら、こうだったの」
「ええー。じゃあ誰が?」
「知らないったら!」
「んー。まあでもあとは《大陸》へ帰るだけっす」
 すぐには目覚めなくても、ひとまず抱えてでも《大陸》に連れ帰れば何とかなるのではないか、とリラは思った。
「あ……じゃあ……俺……」
 口を挟んだのは、ヴァッツ・ロウ。鳩から人間へ、元の姿を取り戻した彼は、嘴ではなく口を挟めるって何て素晴らしいんだろう、とひとり感動に震えていた。
「俺……運んでくけど……!」
 狼の毛皮をもじもじといじりながら、頑張って主張してみる。
 久しぶりに人間の視点から見下ろしたリラは、いつも以上に可愛らしくけれども芯が強そうで、だけどやっぱりりぼんがとっても似合いそうだった。太めの眉の下でくりっと光る瞳に見つめられると、鼻血が出そうだ。
「ああ、そうっすね。ヴァッツさんなら」
 大丈夫? 安心? どちらでもかまわない。リラの答えには、明らかな安堵の色が混じっている。
 この子を守ろう、とヴァッツは決めた。
 と。背中に焼け付くような視線を感じて振り返る。見つけたのは、燃え盛るような――リアルのまなざし。
 ヴァッツは思い出した。鳩であった頃、唯一意思疎通が可能だったのがリアルだ。彼女は知っている。何百回も聖句のごとく喚き続けたあの言葉、あの一部始終を。あの壮大な、リラへの愛の告白を。
 冷たい汗がじっとりと、ヴァッツの背を流れていった。
 こういうときに言うべき言葉は……言葉は……言葉は……。
「ねえ」
 かたちのよい口をはっきりと動かして、リアルが言った。先んじられたヴァッツは、やや及び腰でうなずいた。
「え? ああ……」
「トモダチ」
「え……」
 思いがけぬ単語に、ヴァッツは目をしばたいた。リラはリアルの傍らで、頭ひとつ分は身長差のあるふたりを見比べるのに忙しかった。
「トモダチだよね? ワタシたち」
 リアルはこう言いたかった――アナタとリラは、ワタシにとって大切な友だちなの、と。
 つまりは事実の確認だったのだが、それにしては随分目力が強かった。
「ど、どーしたっすかリアルちゃん!」
「と……友だちだよ。ああ。もちろん」
 答えるヴァッツの語尾は小さい。心情的に、リラは友だちという言葉では終わらせたくない。
「そーっすよ! もちろん友だちっすよ! だからもちろんみんな揃って《大陸》に帰るっす!」
 リラはヴァッツとリアルの手を握り、3人の真ん中で気合を入れた。

■Scene:たとえ世界が選んでも(3)

「帰り道ねぇ」
 熱血少女たちを見ていたヴァレリ・エスコフィエは、腕を組んだまま投げやりに言った。
「どうやって帰るんだか、ねえ。壊した奴がなんとかしてよね」
 後半はネリューラに向けられた言葉である。
「どうするつもりなわけ? それとも何。その占い師、もしかして秘密兵器だったりする? 驚かないよ別に」
「……さあ。もしかしてそうかも」
 ヴァレリの八つ当たりにも、悪びれず言い返すネリューラだ。
 気づくと、エルやローラナを包んでいた光が薄れ、役目を終えたとばかりに消えつつあった。エルはゆっくりとまぶたを持ち上げようとしているところである。
「ああ、エル。随分とすごいところから現れるのね。待っていたわ、大丈夫?」
 ネリューラはヴァレリの相手をさっさと切り上げた。ヴァレリはやれやれと肩をすくめ、所在無げにあたりを見渡すのだった。
「ね、ネリューラさん……!」
 視界に飛び込んできたのがネリューラだと理解するや、占い師の顔が真っ赤に染まった。くしゃくしゃになってしまった羽根も、しっかりとその色を映し出す。
「約束だったものね」
 一方的でしたけどね、とエルは思った。
 勝手にそうしたのだ。自分が迷わないために。追いかけるからと告げた、それは自分のためだ。勢いで彼女を抱きしめた。それは……誰のための約束だったろう。
 あの時自分は、占いの結果をレオに告げることを選んだ。紫陽花姫オルテンシアの影。帝国を絡めとる紫の血の鎖。
「来てくれてありがとう、エル」
「いえ、そんな」
 もごもごとエルは答える。
「ルクスさんも大活躍だったわ」
「ああそうだルクスさん!」
 光の精霊の名を出されて、エルはがばと跳ね起きた。
「あっちよ。リアルの手の黒猫に宿ってもらってる」
 ネリューラが示したのは、何やら取り込み中の雰囲気漂う学生たち。
 燃える闇が胎内までも埋め尽くそうとしているこの状況で、日常そのままの空気をまとう3人の姿。
「リアルさんの黒猫? ネリューラさんといっしょにいたのでは……?」
 元々一度、リアルから頼まれたのを断ってまで、ネリューラに連れて行ってもらったのだ。事情を飲み込めないエルの頭上に、疑問符が浮かぶ。いじわるすぎたかな、とまで反省したのに、いったいこれはどういう展開なのだろう。
 ネリューラは、微笑んでいる。
 この人はどんなに危ないときでもこうやって微笑んで、うまくかわして切り抜けるのだろう。
 捻れた銀色の蝶。大きな流れが蝶を弄び羽を引き裂こうとしたのだとしても、何事もなかったふうを装って、ひらひらと蝶は舞う。捻れた羽を隠そうともせず。
 少しずるいとエルは思った。
「あ、エル!」
 彼の目覚めを悟ったリアルが、それまでの真剣な表情から一変、不敵な笑みを浮かべている。
 冷たい汗がじっとりと、エルの背を流れていった。
「このコのおかげでとーっても、助かったから」
「え? ああ……それはそれは」
 揺れる水色のツインテール。気のせいか、少女の瞳がいたずらっぽい輝きを湛えているのは。それは、ネリューラがよく浮かべている輝きだった。何かを面白がっている表情。
「このコ、返すね」
 リアルはその手の黒猫を突き出した。淡い光がするすると黒猫から離れて、宙に浮かぶほのかで曖昧な光球に戻る。
 そうして、エルがルクスさんとの再会に胸をなでおろすのも束の間。
「こーしゃくふじんと駆け落ちしたんだってね、元騎士。あ・り・が・と・う!」
 リアルはふふんと鼻を鳴らした。ささやかな仕返しができて、満足なのだった。

■Scene:たとえ世界が選んでも(4)

「へえー、騎士。元、騎士ねー。ふうーん。あっそうー」
 ヴァレリはつくづくとエルの全身を舐めるように見た。
「その割にはけっこう派手にやってたよね、あの若獅子の騎士さんとさ。だから嫌いなんだ! とか言っちゃってさあ」
 エルはヴァレリの揶揄に耳を貸さない。代わりに、ちらりとネリューラを見る。
 相変わらずの微笑み。どこか人をはぐらかし、突き放す、けれども不思議に囚われる微笑み。
 驚いている様子はネリューラにはなかった。
 すべては貴女のたくらみでしたか? でも、どちらでもかまいません――エルはそう心に呟いて、静かにネリューラの前に跪いた。
 マントのかわりに折れた羽根を後ろ手に払い、貴婦人にするのと同じ仕草でネリューラの手を取る。
 自らにも刻まれている髑髏を認め、そっと額におしいただいて後、優しく甲に口付けた。
「私はリオン。リオン・ライキューム。覚えていてください。真実の名を知る貴女に私の忠誠を捧げ、貴女を生涯護り抜きます……どうか」
 その言葉は、結婚の誓いによく似ていた。騎士がただ一人の貴婦人に対して捧げる忠誠は絶対だ。
「どうか許してください。生涯を賭けて、いかなる困難からも貴女を護ります」
 ネリューラは動かない。このような時、何と答えるのが作法なのか知らない。
 生涯だとか困難だとか忠誠だとか、それらの持つ意味も、何だか大きくて重いものにしか感じられない。元々戦争ですべてを失った孤児の身の上で、結婚や夫婦というのもぴんとこない。
 ただ、眼鏡越しのエルのまなざしはとても真摯で、いつものようにはぐらかしてはいけない気はした。
「ありがとう、エル」
 長い時間のようにエルは感じたが、ネリューラが答えたのはすぐだったろう。
 ただその一言を聞くまでの間、エルの胸中は闇で塗りつぶされていた。
 ……その闇は、侯爵家に囚われていた三日間の闇。四日目に侯爵夫人の行方を耳にしてから、闇はより深まり深淵になった。五日目に解放されてからも、エルの胸の闇は晴れることがなかった。
 その闇を逃さず胸の奥深くしまいこませるように、蛇の刺青がエルの身体に刻まれていた。
(汝には夫人に心を許した罪を課し、騎士の位を剥奪す)
 誇り高き騎士リオンは、咎人エルに変わった。夜闇に紛れ、日々の糧だけを細々と得る暮らしを続けた。
 騎士位剥奪などどうでもよかった。ただ。
(但し汝が何人かに心を許した時、その者には必ずや困難が降りかかるであろう)
 その言葉だけが、エルの深奥の闇を二匹の蛇とともに縛り付けている。五日目の朝、あの時からずっと、今までも。
 どうか許してください。
 私は貴女に、苦難の待つ道をともに歩んでくださるよう希ったのですから。そうとは告げずに。
「ありがとう、エル……それとも、リオン。でも少し急ぎすぎじゃない? そんなに急いでしまっては、手に入るものも入らなくなってしまうわよ?」
 ネリューラは、跪いたままのリオンを立たせた。
「貴方も私もお互いのことを何も知らない。でも知る時間はいくらでもあるわ、これからね」
 困難が行く手に降りかかることを、貴女はお見通しなのですか?
 リオンは内心舌を巻く思いで、うなずいた。
「脱出しましょう。だれひとり欠けることなく!」
 刻まれた蛇の牙をすり抜け、闇は解き放たれた。

■Scene:たとえ世界が選んでも(5)


 リオンとさほど時をおかずして、ローラナも目覚めていた。
 五体満足ではあったものの、その身に宿した重みは、今にもローラナを押しつぶさんばかりである。
「あーよかった。ローラナさんも無事だったっすよー」
 手をとりあって喜ぶリラたちに、少し複雑な気分のヴァッツ。リラにいいところを見せていかないといけないのに。
 いや、重荷運搬だけが能じゃないし、と言い聞かせる。他にいくらでもできることはある。なんたって、もう鳩じゃないのだから。
「……ポリーナさんは?」
 大広間で玉座が燃える闇となり、一同を飲み込んだ際も一緒にいた。けれどポリーナはここにはいない。
 付け加えるならば、ヴァレリはいるのに、ヴァレリが強引なまでに連れて行ったウィユの姿も見えない。
 身を起こそうとするローラナを、まろうどたちは支えあった。
「皆さんにお話しなければならないことがあります」
 苦しげな息のもとで、ローラナは一同に告げた。あたりの調査を行っていた、ルーサリウス・パレルモやセシア=アイネス、ロザリア・キスリング、スティーレ・ヴァロアといった面々が集う。
「随分お辛そうですね。しばらくお休みになられていては」
 気遣うルーサリウスに、ローラナはかぶりをふった。
『今、私のおなかの中にはレヴルがいるのです。私はそれを望み、レヴルもそれを望みました』
 ローラナのひとことひとことは、音術の調べとなって《島》にいる者すべての耳に届いた。
『月が満ちればひとの子として生まれるでしょう。レヴルはもう、死を弄ぶことはないでしょう』
 けれどもウィユ、とローラナは息を吐いた。彼女はどこへ行ったのだろう?
 ヴァレリはいなかった。さっきまで彼女が立っていた場所には、燃える闇の流れと、いくつかの水泡が残っているだけだった。
『私はレヴルと、わずかながら話すことができそうです。それから……もうひとつ、皆さんに知っていただきたいことがあります』
 ローラナは天を仰いだ。
 偽りの空はすでに崩れている。
『レオのことです。彼は、アンタルキダスの影です』
 偽りの空だった場所の上に位置するはずの、離宮では何が起きるだろう。音術は等しくレオの耳にも届いているはずだから。
『レオの目は見えています。彼は非常に危険な存在です。人を傷つけること、殺すことを厭わない人物です』
 ローラナは目を閉じた。疼痛。それから、下腹部の重み。そっとそこに両手をあてた。
 かつて神になるはずだった存在がそこにいる。
「まろうど全員を集合させなくては。何とかして上にいる者たちに連絡を」
 ルーサリウスの表情は硬い。
「私が」
 手を挙げたのはスティーレだ。少し低めの、凛とした口調で。実際は《月光》とともに呑まれたウィユに対する焦りと後悔に激しく苛まれながら。
「ローラナさん、手伝わせてくださいませんか。私も、多少音に関する心得があります。ウィユの鼓動も聞こえるかどうか、耳を澄ませてみようと思います」
 スティーレは、ローラナの強さに感銘を受けていた。
 この人は、見えぬところでレオの恐怖を受け止めながらひとりで戦ってきたのだ。そして今、反撃を行っている。
 もしも。
 自分がためらわずに――ローラナのようにその身を差し出すとまではいかずとも、意を決して――学者だったころの、一歩退いた姿勢ではなく、本気でぶつかっていたとしたら。例えば、ウィユに名前をつけてあげていたら。
 物語の結末は変わっていたかもしれない。
「ありがとうございます。スティーレさん」
 ローラナはスティーレの申し出に頭を下げた。差し出されたスティーレの義手をとる。髑髏の快楽は薄れていたが、忘れかけた頃色彩が翻った。だがそれは、もうスティーレに恐怖をもたらすことはない。焦りと後悔は、ローラナの手で落ち着きに変わった。
「まだ、ウィユの物語は終わったわけではありません。そうですよね……?」
 そうよ、と同意の叫びがあがる。リアルだった。
 リアルは黒猫と熊をふりまわしながら断言する。
「ワタシはそんなの望まない。まろうどが望めば、物語は続くんだもの!」

4.分かつもの へ続く

1.あなたの望む道2.互いの領分3.惑いの旋律4.分かつもの5.もう一振りの剣6.この手を離さないマスターより