第6章|残された幸せ林檎の木の下で森の一葉のように動き出した時間変容夢魔との戦い(1)(2)(3)(4)マスターより

マスターより

 みやたです。みなさん、お疲れさまでした。そして、ここまでお付き合いくださいまして本当にありがとうございます。
物語の山場ということで、かなりの長文になってしまいました。実は3分の2くらいまで書いたところでどうしても気に入らなくなり、ほとんど書き直したので遅くなってしまんたんです。最初のころよりはよほどペースがつかめてきたと思ってきたのに……スミマセン。17日にUPしようと頑張っていたのに。くっ。

 さて、以下はネタバレを含む物語の総まとめです。

 《狂乱病》は、《貴石の竜》が存在していることによって生じます。言い換えると《貴石の竜》の存在が、《大陸》に《狂乱病》という影響をあたえているのです。彼らの戦闘衝動は《大陸》には強すぎるのです。アングワースの子らが滅びた場所ディルワースでは、それが顕著な現象となり、《竜》にひきずられるようにして消えるものが現れるようになりました。
 かつて最強の戦闘種族であった《貴石の竜》は、いまやその敵がおらず、存在意義を失っています。倦んだ竜王アングワースは、その肉体を《まことの国》としてフューガスに与えました。その代償として、フューガスは3つのものを捧げていました。(正確に言うとそれぞれ段階がありましたが、結果として)フューガス自身、妻エシャンジュ、そしてエシャンジュが身ごもっていた赤ちゃんです。赤ちゃんは男の子でしたが生まれる前にアングワースの贄となり、名前すら与えられませんでした。しかし、《まことの国》で長じた彼は、ひそかにシャッセを見守りつづけます。
 一方《悪夢の軍勢》の最後のひとり、夢魔モーヴェレーヴは、身動きがとれないアングワースを利用して、自分だけの餌場をつくりあげました。より美味な餌、ディルワース王族が網にかかるのを待っていたのです。

 以上が、この物語の背景でした。

 この状況をどうするか、それはキャラクターたちにゆだねられています。すべてを打ち砕く《竜の牙》は3本。3本の絆を断ち切ることができます。ただしひとりのキャラクターが放てる矢は1本だけ。背負えるのはひとりぶんだけなのです。
 一度は滅びた人間であるフューガス、エシャンジュ、名前のない王子。夢魔と竜王。
 彼らは、決断を待っています。居場所を見つけることができるのは、誰なのか。

 なおPBeM2001の時ように、最終章公開後に一度、「キャラクターのその後」を簡単にまとめようと思っています。番外ですね。ですので、最終章のアクションには終了後のことは書かなくってもいいですよー。終了記念チャットも開催する予定。

 それでは最後のアクションを楽しみにしております。また《大陸》でお会いしましょう。

最終章の指針

指針1.わが道を行く
 ラストです! やりたいことをやってくださいませ。おそらくメインの舞台は《まことの国》です。ディルワースにずっといたキャラクターが《まことの国》からスタートしてももちろんOKです。
 矢を放つ人は、対象が誰なのか書いてくださいね。

 ※途中欠席していたキャラクターの復活大歓迎です。
 ※メールフォーム「《大陸》への手紙」でもどうぞ。

登場人物たち

シャッセ
ディルワースの人たちの気も知らず……果たして真実を知るべきか否か、どちらがシャッセにとって幸せなのでしょう。このままいくとあっさり目を覚ましそうでもあります。シャッセは人間なので《竜の牙》を使うことができます。
モース
ここまできて弱気ですが、頑張ってもらいましょう。
フューガス
その肉体から《竜》の力が失われ、外見が普通の人間に戻りました。
エシャンジュ
彼女の罪は二心です。十字架からおりることはできるのか?
グレイ
短絡的な盗賊。でも書いているとき超楽しいです。やはり基本的にキャラクターたちと対立する立場の人だから? 
リーフ
身体は人間、頭脳は《竜》……ではありません、残念。
《白馬の君》
シャッセの兄です。
アングワース
今は肉体を失っている《貴石の竜王》。リュカの召喚に応じ、《まことの国》に出現中。
モモ
かつて《貴石の竜》たちと戦った《悪夢》の軍勢の生き残り。アングワースと取引し、灰色の空間を作り出して餌を狩っている夢魔。本名モーヴェレーヴ。
ボーペル
今回出番なし。

個別メッセージ

■カミオ・フォルティゴ
 すっかりカミオさんがバトル要員になってしまった感があります。おかげさまでシャッセの身体のほうは守られました。《白馬の君》の正体が明らかになりましたが、その真実をシャッセはまだ知りません。伝えるべきかどうかは、キャラクターたちの判断に任されています。
■ルナリオン
 隠れ里の名前は夢に絡んだネーミングがいいなぁと考えていたのですが、美しい語感の言葉になかなか落ち着かず、《レーヴ・レース》になりました。金の腕輪は、強力な夢魔法(すなわち《原初の炎》に近い力)を秘めていたために、夢魔の鎌を壊したのでした。また、召喚系の夢魔法は、夢魔の力に打ち消されるため、夢魔の空間では効果を発揮しません。
 《狂乱病》と同じく、肉体を離れた精神だけが行動している状態です。里まで戻ってたどり着くことができれば生き返ることもできると思いますので、頑張って生還しましょう。
■ミュー&カロン
 第5章から準備されている浄化の結界は、まだ発動はしていません。完成はしていますので、最終章で発動することは可能です。記憶・感情の香料化も可能です。モモの説得については、どうでしょう……彼らは人間とはまったく違う思考で行動していますので、ご注意。
 あと、弓は現在ミューさんが持っています。
■ディルウィード=ウッドラフ
 指輪なしの戦闘シーンがなくてすみません。でも、発動方法了解しました。今後はそのスタイルということで、最終章に魔法シーンがありましたら書きたいと思います。あとは、ローズさんがその指輪の意味をどうとるかですね。
 モモに食べられた記憶について、「エシャンジュの記憶が戻り始めた」ところから、取り戻す方法を推測してみてください。ま、モモを倒せばいちばん手っ取り早いかもですが。
■コルム・バルトロー
 《竜》の敵は《竜》だったんです。本来の敵を失い、破壊衝動を同族に向けた種族、それが《貴石の竜》でした。ということでご名答〜。エシャンジュはフューガスによって捧げられた存在なので、モモは彼女をどうすることもできなかったのでした。どうこうしようとは思ってないみたいですけどね。ただしゃぶりつくした後の骨って感じで。
 ラストまでシャッセを守ってあげてください。どうすることが守るということになるのかは、コルムさんにお任せします。
■ミスティ=デューラー
 「喜怒哀楽」のある人に、リーフはなることができるでしょうか。確かに今ちょっと受身ですし……実は「人間らしさ」というのは、彼にとって非常に重要なキーワードです。アングワースとして長じるか、それともシャッセの兄として(人間として)長じるか。リーフの決断は、直接的には物語には関わってこないかもしれないし、あるいは事態をひっくり返す存在になりうるかもしれません。懐かしいフレーズです(笑)。
■フィリス
 グレイが登場しておりますので、ぜひフィリスさんの物語にも決着をつけていただきたいと思うのです。
■ローズ・マリィ
 フォリル先生がディルワース側だったので、おふたりの絡みをかけませんでしたが、「ヒョウタンナマズ」が書けたのでよかったかと。ローズさんと舌戦はしたくないですね。
 蛇足ですが、アメジストの宝石言葉は《純潔》だそうです。
■クーレル・ディルクラート
 すみません、好き放題第2弾です。フューガスは実は「お腹の子など誰のものか分かったものじゃない」と思っていたようですが、クーレルさんは「妹のように思っていた」わけですから、それはフューガスの邪推だったのですね。
 ついでに《魔導》について補足です。物語の中でもその強さに触れておりますが、もちろんこんなに強力な力を代償なしに振るえるわけではありません(振るえるのが《魔導操師》とされていますが、まああまり知られていない存在なので)。《魔導》を使えば使うほど、クーレルさんは忘れられていきます。つまり、他者の記憶の中にある自分が《魔導》の代償です。だから、《魔導操師》について知る人が少ないのです。
■ゴド・シシュー
 エルムさんとグレイの二人だけだと、かなりエルムさんの心臓に負担がかかるようです。つなぎは必要ですね。神器とはいえ普通の杯。割ってしまったうえに、水のほうも普通の水で、失ってばかりのゴドさんに、いろいろあげることができてよかったです。シシュー家のみなさんも、書くことができましたし。
■フォリル・フェルナー
 攻撃はシドさんにしようかとも思ったのですが、生まれのほうの設定を使わせていただきました。ますますランドニクスが悪の帝国っぽいですが、底辺にはそういう人たちもいる、ということで許してくださいミスティさん。
■エルム=アムテンツァ
 予想通りグレイの行動は行き当たりばったりです(あと、判断基準は「派手か地味か」「面白いかつまらないか」です)。こんな人が盗賊団やってるとはヒドイですが、サポートありがとうございました。なんとか城は壊れずにすみました。 《竜の牙》についてのお説教はあまり本気にしていないみたいです。魔法の本を売るのは可能でしょう。まず、ディルワースに持ち帰らなければなりませんが。
■オシアン
 体力というハンデがなくなったところをもっと書きたかったのですが、だいぶはしょってしまいました。お守り、ナイスです。モモに対する作戦はばっちりで、策士の面目躍如(軍師か……)。アリシアさん関係は最終章に出したいところです。モモがフューガスをあおったあたりは明察でした。 そういうやりとりがあったのですが、物事の帰趨とは別問題なので触れてませんでしたけど。
■リュカ・シー・オーウェスト
 召喚したアングワースの精神は、リュカさんが呼べば答えます(力を振るうことはしませんが、トークはできます)。彼の力を《大陸》で維持するには、どうしても入れ物としての肉体が必要になるでしょう。そうでなければ、アングワースの力はリュカさんにのしかかってきます。  本来のアングワースは、その生に倦んで肉体をフューガスに与えるくらい、生きる望みを失っています。《狂乱病》は《竜》の肉体が《大陸》に及ぼしている影響なので、アングワースの精神が生きることを倦んでいるのとはまた別問題なのですね。わかりにくくてスミマセン。
■アーシュ・ノワール
 封印はとけました。矢を放つのも、放たないのも自由です。ちなみに、人間に向かって矢を使うと、その人間は消えてなくなります。《大陸》が夢を見ていたのははるか昔(三兄弟と《黄金の魔女》の戦いよりもずっと前)の話です。当時は《原初の炎》から生まれた《悪夢》の軍勢が《大陸》を蹂躙し、それを駆逐せんと《貴石の竜》たちが戦いを続けていたのでした。ま、神話レベルの話なので、今を生きている人たちには関係ないといえばないです。
■ソロモン・ウィリアムス
 ちょっとずれてたのでラストだけになってしまいました。《竜の牙》は《竜》を滅ぼすこともできます。が、リーフはやれといわれればやるでしょう(そういうふうにきちんとしつけられてますので)。
■レイス
 全身自身の塊であるフューガスには、なかなかお説教は通じにくいかと。ここにきてモースも弱気だし、フューガスも人の話聞かないしで大変です。フューガスに至っては十字架の丘まで来ているのに、エシャンジュともリーフとも、シャッセとも対面してないですし。シャッセひとりが、お気楽です。悩みのレベル的に。

第6章|残された幸せ林檎の木の下で森の一葉のように動き出した時間変容夢魔との戦い(1)(2)(3)(4)マスターより